土地探し 「農地」と「宅地」
新築不動産部 宅地建物取引士&住宅ローンアドバイザーの近藤です。
今回は「農地」と「宅地」の違いについてお話しします。
実家が農業を営んでいたり、農地を購入して家を建てたいなど、農地を利用した家づくりのご相談は多くあります。
畑や田んぼは農地なので、そこに「家を建てることができるの?」と不安に思いますよね。
そこで、畑や田んぼなどの農地に家を建てたいとお考えの方に知っていただきたいことをご紹介します。
「農地」と「宅地」の違い
農地 |
宅地 |
農作を目的とする |
住宅を建てる事を目的とする |
基本的に、農地に家を建てることはできないため、地目(土地の目的)を宅地に変更する必要があります。このことを「農地転用」と言います。
その手続きは土地が都市計画法(その地域がどのような区域に該当するのかを定めた法律)のどの区分に分けられているのかによって変わります。
都市計画法で定められた3つの区域
一般的に都市計画法によって、区域は下記の3つに分かれています。
■市街化区域 = 家を建てても良い
この地域は「家を建てて市街化にしましょう」と定められた場所です。
そのため、市街化区域に属する場合、原則として農業委員会へ農地転用の届出のみで転用ができます。
■市街化調整区域 = 許可が出れば家を建てても良い
この地域は「なるべく農地を残しましょう」と定められた場所です。
そのため、農地が市街化調整区域に属する場合、「農地転用」の申請手続きを行い、許可を得なければ家を建てることはできません。
市街化区域よりも農地に家を建てることが難しい地域となります。また、場所や周辺環境によって、難易度も異なります。
■農用地区域 = 基本的には農業以外には使えない
この地域は「今後、農地を残していきましょう」と定められた場所です。
そのため、農用地区域は基本的には家を建てることはできません。ただし、除外申請を行えば家を建てることができます。
こちらも都道府県や地域ごとによって条件が異なるため、役所などに確認が必要です。
まとめ
このように畑や田んぼに家を建てるには、その地域によって手続きや申請の仕方が異なります。
そのため、まずは役所や建築会社などに相談いただき、その地域がどのような場所なのかを把握することが必要です。
また、元々畑や田んぼだった土地を、家が建てられる状態に変えるには、地目を変更するだけでなく、地盤改良工事や水道、下水などのライフラインの新設工事が必要な場合があります。そのため、すでに整備されている分譲地などで家を建てる場合に比べて時間と費用がかります。農地での家づくりをお考えの場合は、以上のことを考慮した上でご計画することをお勧めします。