住宅購入における「頭金」はどれくらいが良い?
投稿日:2023.04.11
新築不動産部 宅地建物取引士&住宅ローンアドバイザーの近藤です。
今回は、住宅購入における「頭金」について書いてみます。
そもそも、住宅購入における頭金とは何でしょうか?
住宅購入の頭金というのは、住宅ローンで借り入れる金額とは別に、自ら用意する自己資金のことを言います。
■住宅購入で頭金を入れるメリット
・住宅ローン審査に通りやすくなる
まず、住宅購入で頭金を入れると、審査に通りやすくなるというメリットがあります。
審査に通りやすくなる理由はさまざまですが、大きな理由として挙げられるのが、「住宅ローンとして借りる
金額が減るから」というものです。
住宅ローンは誰でも借りられるというわけではなく、必ず審査を受ける必要があります。
借入額が多いと、審査の時に「住宅の購入者がしっかり支払えるほどの返済能力があるか」を厳しく審査され
ます。
住宅は数千万円のローンを組むことも多いので、収入があまり高くなかったり、給与額が安定しなかったりす
る職業の場合は審査に通りづらくなります。
頭金を多く支払えば借入額が減るため、審査する際に見られる返済能力の基準が下がります。
つまり、頭金を多く入れることによって、所得が低い場合でも住宅ローンを組みやすくなるということです。
・住宅ローン返済額が軽減される
また、返済額を軽減することができるというのも頭金メリットの一つといえます。
ローンの中でも住宅ローンの金利はそれほど高くはありませんが、住宅の購入額が高ければ、その分金利によ
って発生する利息額も大きくなるので、返済が大変になってしまいます。
頭金を入れて住宅ローンの返済額を軽減すれば、金利の負担も小さくなるので、「返済が苦しくなって債務整
理をすることになった」といった状況を避けることもできます。
■不動産購入で頭金を入れるデメリット
逆にデメリットの一つは、必要な初期費用の金額が大きくなるというところです。
住宅ローンを組む理由はさまざまですが、多く挙げられるのは「資金が手元にないから」ではないでしょうか。資金が手元になくても、収入を得ている場合は住宅ローンを組めるので、初期費用があまり必要になりません。
また、もし頭金を入れるのに十分な貯金があったとしても、子どもや赤ちゃんがいるような場合、将来的に多
くの費用が必要になることが考えられ、貯金を頭金にするのが難しくなります。
頭金を入れる金額は、生活に余裕のある範囲でを支払ったり、貯金がない場合は購入を先延ばしにしたりする
のも良いかもしれません。
■頭金を入れるなら、目安は何割?
頭金としてどれほどの金額を入れるかは人によってさまざまですが、一般的な目安は「購入額のうち2割ほど」
とされています。住宅ローンの金利はそれほど高くないので、利息の軽減を重視する必要性が大きくはないこ
とから、購入額の2割未満を頭金にするケースが多いです。
また、頭金に限度額はないですが、最大でも購入額の5割ほどにしておくべきだといえます。
理由は、6割以上の頭金が支払えるのであれば、全額キャッシュでの購入を検討した方が良いといえるからで
す。住宅の購入を急いでいるのであれば、頭金6割以上を支払って残りを住宅ローンにするのも悪い選択では
ありません。しかし、住宅ローンを組む際には、別に保険料などの諸費用がかかります。もちろん、ローンを
組むことによって利息分も追加で支払う必要があります。
頭金を6割以上出せるほど収入や家計が安定しているのであれば、これらの費用は無駄な出費であるともいえ
るでしょう。
そのため、可能であれば残りの金額を貯金し、全額キャッシュで支払う方が良いと言えるわけです。
以上、頭金についてでした。
ライフプランに沿った資金計画シミュレーションもできますので、お気軽にご相談ください。