転勤したら「住宅ローンはそのまま借りられるのか・住宅ローン控除は受けられるのか・銀行には言わなくてよいのか」疑問と不安にお答えします!!
投稿日:2023.12.11
新築不動産部 宅地建物取引士&住宅ローンアドバイザーの近藤です。
前回は「中古物件選びのチェックポイント」についてでした。
(前回のブログはこちらから)
今回は、
「転勤したら住宅ローンはそのまま借りられるのか?
住宅ローン控除は受けられるのか?
銀行には言わなくてよいのか??」疑問と不安にお答えします!!」です。
【転勤したら】
住宅ローンを組んで家を建てたばかりなのに急な転勤が命じられたとの相談を受けることがあります。
転勤したら・・・・
「住宅ローンはそのまま借りられるのか」
「住宅ローン控除は受けられるのか」
「銀行には言わなくてよいのか」など、たくさんの疑問と不安があると思います。
住宅ローンは、自分が居住するための住宅の新築や購入、建て替えなどを目的としたローンです。
生活に必須な「住居」であることを前提に、
「低金利」かつ「借入額」や「借入期間」なども有利な条件で借りられるのが特徴です。
ところが、転勤でローン契約者やその家族が 居住しなくなると、
そもそも「自己居住用」であるという要件を満たさなくなってしまいます。
また、年末のローン残高の一定割合が払った税金から戻ってくる「住宅ローン控除」も、
ローン契約者本人がその年の年末に居住していることが条件の1つです。
ですが、転勤は本人の意思とは関係なくやむを得ないこともでもあります。
そのため銀行は いきなり金利が高いローンへの借り換えや、
一括返済を迫るようなことは通常ありません。
借り入れ銀行に転勤を申し出ることで住宅ローンを同条件で借り続けることができ、
住宅ローン控除も引き続き受けられる場合があります。
「単身赴任の場合」「家族全員で引っ越した場合」
のケースごとに、転勤時の住宅ローンと住宅ローン控除の注意点についてまとめてみました。
【1.単身赴任の場合】
ローン契約者が単身赴任する場合、
家族がそのまま住み続けることで住宅ローンの返済を続けることができ、
住宅ローン控除も受けられます。
ただし契約者の住所が変更となりますので、銀行への届け出は必要です。
【2.家族全員で引っ越す場合】
子供が小さいなどの理由で家族全員が引っ越した場合、
自宅は「賃貸に出す」「空き家のままにする」「売却する」の3つの方法が考えられます。
売却した場合は売却資金でローンが完済できない場合を除いて、住宅ローンはなくなります。
ここでは転勤後「賃貸に出す」場合と「空き家のままにする」場合の注意点を整理しておきましょう。
2-1 賃貸に出す
数年後に戻ってくる可能性がある転勤の場合、
定期借家契約等で「一定期間賃貸に出す」といった方法が考えられます。
家賃収入で返済を続けながら、帰ってきたら自宅に戻ることも 可能です。
□住宅ローンについて
自宅を賃貸に出すと、「自己居住用」であるという要件を満たさず契約違反になってしまいます。
しかし、転勤の事実とその間だけ賃貸に出すことを銀行に伝えれば、住宅ローンを借り続けられる場合があります。
借入先ホームページのQ&Aなどで取り扱いを確認し、
賃貸に出す前に直接銀行に問い合わせるのが良いでしょう。
転勤時の賃貸については銀行によって対応が異なります。
住宅ローン契約書には対象物件を賃貸とした場合の取り扱いが記載されている場合もあります。
(例:転勤時に賃貸する場合は銀行の承諾が必要で、
銀行が指定する他のローンへの切り替え等の手続きが必要になる場合があるという内容が記されている)
また、転勤や賃貸の事実を銀行に申し出ず、住所変更届も出さなかったらどうなるでしょう。
銀行からの書類がお客様に届かず、書類が銀行に戻ってきてしまえば、
必ず転居の事実が銀行にわかってしまいます。
ロー ン契約書にも「債務者は氏名、住所、印鑑、電話番号その他のローン会社に届け出た事項に変更があったときは、
直ちにローン会社に書面で届け出るものとします。」
といった文言の 記載があるのが通常です。
転勤の事実を銀行に伝え、賃貸前に相談して必要な手続きを行うようお勧めします。
□賃貸時の住宅ローン控除
住宅ローン控除については、控除を受ける年の12 月 31 日までローン契約者が住み続けて いることが前提です。
賃貸中は住宅ローン控除を受けることができません。
しかし、住宅ローンの控除期間が残っている間に自宅に再入居した場合は、
一定の手続きを行っていれば、残りの期間の住宅ローン控除を受けることができます。
2-2 空き家のままにする
せっかくの新居を他人に貸すのははばかられる、
管理が面倒などの理由で賃貸せず空き家 にする場合はどうでしょう。
□住宅ローンについて
転勤で空き家とする場合も、銀行に住所変更届を出して、
住宅ローンの返済はそのまま続 けられるのが一般的です。
ただし、賃貸に出していないとしても、空き家は自己居住用の住宅ではないため、
住宅ローンより金利が高いローンへの借り換えや、
一括返済を求められる可能性もゼロではありません。
賃貸の場合と同じく、各銀行によって取り扱いは異なりますので、
ホームページのQ&Aやローン契約書を見たり、
直接銀行に問い合わせて返済が継続できることを確認しておきましょう。
□空き家としたときの住宅ローン控除
転勤とはいえ、家族全員で転居した場合住宅ローン控除を受けることはできません。
ただし転居前と再入居後に一定の手続きをすれば、
残りの期間分の住宅ローン控除が受けられ ます。空き家の場合は、
戻ってきた年分からのローン控除を受けられます。転居前と再入 居後に行う手続きは賃貸の場合と同じです。
まとめ
転勤が理由であれば、銀行の同意さえあれば賃貸でも空き家でも住宅ローンを継続することは可能です。
ただし、転勤による転居を銀行に届け出ることは必須です。
住宅ローン控除については、単身赴任時にはそのまま継続できます。
家族帯同で転勤の場合は転勤中はローン控除を受けられません。
しかし、対象の自宅に再入居して控除期間が残っていれば、
空き家の場合はその年分から、
賃貸に出していた場合はその翌年分から残りの期間分の住宅ローン控除を受けられます。
ただし、転居前に所管の税務署に必要書類を提出し、再入居後は確定申告が必要となります。
以上、転勤時の住宅ローンとローン控除の注意点について整理してみました。
どのケースかをよく確認の上必要な手続きを行いましょう。
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